同志社コリア研究センター(DOCKS)のコリア文献データベース(Korea Bibliographic Database; KBDB)は、北朝鮮-朝鮮民主主義人民共和国(以下「DPRK」)で1945年から1970年ごろのあいだに発行された新聞・雑誌・図書を中心にアーカイブしたデータベースです。
DPRKの文献は全般的に入手が容易ではなく、そのことが実証的な研究を進めるうえでの高いハードルとなってきました。研究者たちは、各地から何とか文献を見つけ出し、ときに研究仲間とシェアしながら研究を進めてきました。また、それぞれが必要に応じてこつこつと目録をつくったりしてきました。本データベースは、そうしたものをよりオープンに公開し、もってDPRK研究を活性化させることを目的に構築しました。
といっても、全分野の全文献を網羅したデータベースの構築は事実上不可能です。本データベースの中核は、ロシア科学アカデミーで朝鮮語研究を担ったレフ・コンツェーヴィチ(Lev R. Kontsevich)氏より、2014年度に同志社コリア研究センターに寄贈された文献(コンツェーヴィチ文庫)です。コンツェーヴィチ文庫は、主に1940年代から1960年代の言語学、文学、歴史学、民俗学を中心とした幅広い分野の文献から構成されています。これを一般に公開するとともに、それだけにとどまらず、1945~1970年ごろの(広い意味での)文化史に関するデータも蓄積していくことに力点を置きました*。今後も徐々にコンテンツを増やしていきます。どうか、ご活用ください。
本データベースは、科研費・基盤研究(B)「冷戦期北朝鮮の文化史:人・情報の流動性に注目して」(研究代表:板垣竜太、課題番号:20H01330)の研究成果です。資料のスキャン、目録の作成にあたっては、JSPS科研費JP16K02019、「頭脳循環を加速する若手研究者戦略的海外派遣プログラム」(2013-15年度)も活用しました。